ぷちサミ(2)ウクライナ紛争の構造(前編)
2023-02-15


禺画像]

2022/04/01の2

吾狼: そもそも今のウクライナ紛争って、どういう経緯で始まってしまったのかという説明が、どの国のメディアもきちんと伝えていないような気がするんですよね。

幽大: 西側諸国のメディアは「悪の帝国ロシアと欲ボケした独裁者プーチンが平和に過ごしていた農業国ウクライナを侵略して傀儡政権を作ろうとしている、という図式で説明しているようだが……。実際はもっと複雑なんだろう?
 イシコフさんはロシア人の血が流れていると聞いたが、ロシア側の論理というのはどうなんだね。

イシ: 確かに私の父はロシア人、母はハンガリー生まれの日本人ですけど、物心ついたときからずっと母方の祖父の家、つまり、日本で暮らしてきましたから、ロシアの国情とかロシア人のものの考え方とかは分からないですね。
 父は貿易商で、日本とロシアを行ったり来たりしていましたが、私は父とはほとんど接触がないんですよ。というのは、私が二歳になる前に母は病死してしまって、貿易商の父は仕事が忙しくて私の面倒をみられなかった。金は持っていたので、たっぷり養育費をつけて母方の実家に私を預けたんです。その後、父は再婚しています。
 というわけで、私は日本で育ったんですが、通っていたのはインターナショナルスクールで、そこで英語を話す子供たちと一緒に育ったんです。だから、日本人の感性ともかなり違うのかな。

幽大: 相当特殊な生い立ちなんだね。それならロシアの国情が分かるということではないか。

イシ: でも、インターナショナル時代の友人とは今でもやりとりしていますから、いろいろ情報は入ってきますよ。私の友人たちはみんな一筋縄ではいかないので、裏情報的なものや怪しげな噂話も多いですけどね。

吾狼: いいですねえ! そういうのを聞きたいわけですよ。ぼくたちは。

イシ: 大した情報じゃないよ。吾狼さんも知っているような話ばかりだと思うけど。というか、吾狼さんのほうが情報量は多いんじゃない? 吾狼さんはどう分析しているの?

吾狼: え? ぼくですか? なんかブーメランだな。まあいいや。
 ぼくとしては、ここ数十年繰り返されてきた戦争の構図とあまり変わらないんじゃないかと思ってます。中東戦争とかアフガンとかと。

イシ: 具体的にはどういうこと?

吾狼: 日本を含めて西側メディアは、プーチンが仕掛けた一方的な侵略戦争みたいに報じてますけど、基本的にはアメリカがウクライナに仕掛けた「内戦」が引き金になっているんじゃないか、と。

イシ: うんうん。

吾狼: ウクライナの歴史はあまりにも混沌かつ凄絶で、ぼくたちみたいに戦争を直接知らない人間が簡単に口にするのは許されないでしょうけど、直近では、2014年のマイダン革命と呼ばれているクーデターとクリミアを巡るパワーゲームのもつれ、ドンバス地域の治安の問題が絡み合って、もともと不安定だったウクライナの内政という土壌があったわけですよね。
 それを利用して、アメリカがウクライナの分裂と西側寄りの政権樹立を企てたのがあのクーデターだったんじゃないですか。
 一方で、アメリカをリーダーとするNATO勢は、ロシアの封じ込めと弱体化を狙ってじわじわとロシアに圧力をかけていった。ロシアがそれに乗ってアフガンのときみたいに軍事行動を起こせば、それを利用してロシアの国力を落とすことができると踏んだんじゃないですかね。

イシ: アフガンがきっかけでソ連は崩壊していったからね。その再現を目論んだ、と。

吾狼:

続きを読む

[メディアという腐海]
[リセット世界]

コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット