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第4回 2022/10/09 の1
非接種者たちが作る落人(おちうど)集落
吾狼: お久しぶりです。今日は2022年10月9日ですね。明日は体育の……いや、スポーツの日で休日らしいので、三連休の中日(なかび)ですか。
お二人ともお変わりなかったですか?
幽大: 余輩自身のことなら、寿命が少し減ったということくらいかな。
吾狼: 寿命って、伸びたりはしないんですか?
幽大: いいことがあれば伸びるかもしれんがな。いいことなんぞ、一つもないからな。
ただ、余輩が暮らしている土地では多少変化が起きておるよ。
都会から逃げてきた連中が耕作放棄地や未開の土地を買って、共同農場みたいなものを作り、その周囲の空き家などに住み着き始めておる。
イシ: 逃げてきた? なんだか平家の落人集落みたいですね。
幽大: まさにそんな感じかもしれんな。まだ数家族、総勢十数人くらいじゃが、余輩のところにもたまに来て雑談したり、酒呑んで歌ったり踊ったり……。
イシ: どういう人たちなんですか? 自然農を志向するナチュラリストみたいな?
幽大: いや、そういうはっきりとした主張を持っているわけではなさそうだな。共通しているのは、ワクチンを打っていない者たち、ということかな。医療現場や介護施設にいた者もまじっとる。
吾狼: ワクチン非接種者集落ですか。
幽大: そういう定義もどうかと思うが、結果的にはそうかもしれんな。
職場での接種圧力が強くて、抗いきれず、たまらず仕事も家も捨てて遠方へ移住したというようなことかな。
その数家族は親類縁者というわけではなく、ネットを通じて知り合ったそうだ。若い独身者もいたな。
イシ: ワクチンを打ちたくない、というだけでグループができて、新しい集落ができる……みたいなことですか?
幽大: ワクチンだけではないんだろうがな。これから間違いなくやってくる食料危機、エネルギー危機を乗り切るためには、都会から早めに出て、自給自足的な生活を始めたほうがいいだろうとか、そういう価値観や考え方が一致した者たちが、少数でも結びつきを求めて……ということではないかな。
吾狼: ああ〜、分かります、分かります! いわゆる「分断」社会で起きている現象ですね。
ぼくが知っているのは
ネット上のワクチン非接種者コミュニティです。非公開のものがほとんどですが、いくつかできているのを知ってます。
ワクチンを接種していない者だけが集まる小規模閉鎖系SNSみたいな感じですね。
イシ: へえ〜、それは興味深いね。そこで思いっきり憂さ晴らし雑談をかわすわけ?
吾狼: いえ、今はもう、そういう段階を超えてますね。もっと現実的というか合理的というか切実というか。
例えばマッチングアプリ的な利用を考えている若い人たちのグループ。彼らは接種者との恋愛を避けようとしているんです。自分が好きになった相手がすでに2回も3回も打ってしまっているとなると、これから先、どんな運命が待っているか分からない。結婚しても子供がちゃんとできるのか。それ以前に、シェディングが怖くて、身体に触れる……まさに「濃厚接触」するのが躊躇われる。
ワクチンを打ってしまう人たちは、ウクライナ関連でも簡単に瞞されてますから、そういうことでいちいち言い争いになるのも疲れる。
だから、最初からワクチンのことを考えなくてもいい相手だけが集まっているグループで相手を捜したい……という。
イシ: